「一点物」の価値と魅力

HANDMADE PRINT & ONE OF A KIND

undetrozeのTシャツは、デザイナー自らハンドメイドでプリントしており、
色彩の選択、配置や、マーブル、カスレ、ムラなど偶発的に起こる現象を意図的、積極的に採用しながら
ひとつひとつデザインの異なる一点物Tシャツを中心に展開しています。
(余談ですが、一点物は英語でone of a kindといいます)

一点物をつくり始めた理由

一点物をつくる理由はいくつかあるのですが、最大の理由は「世界にひとつだけしかない」という魅力です。

私は、ファッションは自己表現だと考えており、洋服がカブるという事に抵抗があります。
普段はシャツ、ズボン、帽子などの組み合わせをコーディネートして自分なりに表現しているのですが、
自分だけしか持ってない服があったら素敵だなと思っていました。
とはいっても、パターン、縫製がメインのコートやデニムなど量産しないで価格を抑えるのはとても無理だと思いました。
色々考えて、Tシャツのプリントデザインを一点モノにする事なら、なんとか出来るかもしれないと思いました。

プリントデザインの部分は、シルエットなどのファッションデザインというよりもグラフィックデザインという側面が強いので
フリーでグラフィックデザイナーをしている私は、最高のパフォーマンスを発揮できると考えました。
そして試行錯誤をくり返し、その間たくさん失敗もし、マーブルプリントなどの技法を生み出しました。

undetrozeのデザインが三角形などミニマルデザインなのは、応用が効きやすいように、
上記のように一点物である事を優先した背景があります。

量産用グラフィックデザインと一点物デザインの違い

パソコン上でデザインデータを作成して工場に発注する普通の量産用のデザインTシャツなら、
紙媒体で印刷発注するグラフィックデザイナーと同じ工程でつくる事が容易に出来るのですが、
シルクスクリーンを使い一点物をつくるとなると別のスキルが必要になっていきます。
パソコン上でデザイン作業する場合、失敗しても変更がいくらでも容易にできます。
しかし、手刷りで一点物としてプリントする時はやり直しが出来ません。消す事も、ロゴなどの大きさの変更も出来ません。
いくらイメージしても、刷ってみないとわからないという事も起こります。

デジタルデザインと比べるとかなりリスクが多いですが、それがグラフィックデザイナーの活動とは違い新鮮で、
つくっていて楽しく自分も成長ができるし、何より気持ちや熱量を込めやすいと思っています。
もちろんデジタルデザインを否定しているわけではありません。今もグラフィックデザイナーとして活動していますし、
同じデザインが何枚もある快感や一体感も、良さを知っています。
それを知った上で一点物をつくる事に、重みや説得力がつくのではないかと考えています。

作業はとてつもなく非効率

物撮り

一点物デザインのTシャツをつくるという事は、大量生産品と比べ非常に非効率です。
ひとつひとつ、全体の構成を考えながら配置やインクの調色を行う事に頭を使いますし、時間も何十倍もかかります。
さらに、オンラインショップで販売する時は、商品ひとつひとつ写真を撮らなければなりません。
例えばファストファッションの大手ブランドが手掛けるTシャツが、1デザインTシャツを五千着オンライン上で売ったならば、
物撮りから掲載までの作業効率は単純に五千倍です。(こう書いてみて改めてゾっとしました…)
しかし、こんな非効率でも、「自分しか持っていない」という、それをやるだけの価値は十分にあると信じています。